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岩佐准光ジャーナル「温故知新」

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岩佐准光ジャーナル「温故知新」


伝灯奉告法要期間中の今、なぜ立候補するのでしょうか? 変化は必要ないのでは?


伝灯奉告法要期間の今だからこそです。

今、私と同世代の専如上人が長きに護られてきた伝灯を継承し、1万ヶ寺といわれる宗派の未来を担うという決意表明をされています。

また専如上人は伝灯奉告法要についてのご消息の中で「このたびのご法要が、親鸞聖人によって明らかにされた阿弥陀如来の救いのはたらきに依りながら、時代の変化に対応する宗門の新たな第一歩として意義を持つものでありたいと思います。」とお示しくださりました。このお言葉を真摯に受け止め、その実現に向けて行動していくことこそがご門主さまと同世代の僧侶の使命であると思い、この度の宗会議員選挙に立候補いたしました。

わたくし自身が仏教青年連盟指導講師、子ども若者ご縁づくり推進室マネージャーの職務をいただき感じたことは、仏教にご縁の薄い若者たちが実はお寺やみ教えに非常に魅力を感じているということでした。問題は彼ら自身ではなく、核家族化などにより家庭内でのみ教えの相続がなくなってきたことにあります。その結果私たち現場の僧侶・お寺が彼らと遠い存在になっています。ここに「時代の変化に対応する第一歩」を踏み出す糸口があります。

この時代の変化によって生まれた「距離を縮めていくために」

(1)寺院の運営を時代に相応した形に変革していく
(2)僧侶がより資質を高めやすい環境を整備する
(3)社会の変化に対応するために、み教えが伝わりやすい環境を徹底的に整備する

これらの対応をとっていくことが急務であります。このまま距離が開き続けて存亡の危機を迎える前に私たちが「変化」していく必要があります。

専如上人が思い描かれる宗門の未来を実現するために、まず東京教区から変えていきたい。同年代の僧侶として、ご門主さまお一人にお任せするのではなく微力ながらもお支えする仕事をさせていただきたく思います。

東京教区の皆様の思いを宗派とつながせていただく役目を果たすため、わたくしに宗会に活動の場をお与えくださいますよう心からお願い申し上げます。

 

今、変化するということ

昨今、我々をとりまく環境に「イオングループの葬儀業界参入」「アマゾンの僧侶派遣」といった問題が起きています。これらは何を意味するかと考えるとお寺に対する信用度の低下があげられます。

ご縁が薄い人にとっては、情報社会としての弊害がお寺・僧侶への不信を助長し、それによりイオン・アマゾンといった大企業への信頼の方が、知らないお寺への信頼より高くなっていると思われます。逆に考えればそこにチャンスがあります。

我々の宗門が長きにわたり護ってきた伝統と信頼、築地本願寺のブランド力、特区というスピーディーに対応できる環境。これらが揃ってきた今だからこそ築地本願寺による葬儀紹介システムを構築することができるはずです。

しかし、その受け皿となる東京教区の寺院、僧侶に、ご縁のない方を受け入れる体制が整っていなければ、可能性があってもチャンスを生かしきれません。

また、東京教区には未だ埋もれている人材が数多くおられます。その方々に活躍の機会を提供していくことも、受け入れ体制を整える一つの方法だと存じます。

今、目の前にある危機に対し、我々ができることは何かを問うと、自分たちの資質を向上させ、意識を変化させることしかありません。打開策には奇跡もウルトラCもないのです。危機感を共有させていただき、共に未来への責任の第一歩を踏み出させていただけますよう、伏してお願い申し上げます。

 

今、目の前にある危機

葬儀の簡素化(家族葬・直葬)は感じませんか?
お寺の法事は減っていないでしょうか?
法要のお参りは減少してないでしょうか?
跡継ぎのいないご門徒は増えていないでしょうか?

これらの問題は核家族化、少子高齢化など様々な社会的要因があるかもしれません。
社会的要因の改善に対しては残念ながら我々は無力です。そしてこの傾向はますます悪化していき、一般寺院の危機の連鎖が宗門存亡の危機につながっていきます。
今こそ、目の前にある危機に対して何か対策を打たなければいけません。お念仏相続させていただいてきた私たちには、お寺、宗派の未来に対する責任があります。
この危機に対し、専如上人は先の総長選において僧侶議員の候補として都市部である東京と大阪の議員をご指名なされました。宗派は首都圏特区を設立しました。
これは宗派存亡の危機への対策は、我々東京教区に託されたといっても過言ではありません。

私たちが今、何をしなければならないか?

それは私たちの現場であるお寺を、私たち僧侶自身を現代社会に対応できるよう変化させていかなければなりません。

岩佐 准光(いわさ じゅんこう)3つのご提案

1.「宗派」まず東京教区から変化する未来への戦略作り

宗派と一般寺院は、コンビニエンスストアのフランチャイズ店のシステムと似ていると聞いたことがあります。コンビニもお寺も基本的に独立採算制です。経営が傾いても自分たちでなんとかしなければなりません。では本部が何を与えてくれるかといえばコンビニの場合「ブランド力」と「商品の流通」と「経営戦略」を与えてくれます。

一方、宗派が私たちに何を与えてくれるかというと、「浄土真宗本願寺派という名前の信頼」「み教えの伝承・僧侶の育成」です。しかし「経営戦略」という部分での恩恵がないのが現状です。

私たちには教区独自の「戦略」が必要です。東京教区から変化していく第一歩として、東京教区独自の、僧俗問わずの人材で「み教えを理解した寺院運営アドバイザー」の育成を急ぎ、それぞれのお寺に即した「未来への戦略」を立てていきましょう。自分たちの現場の活性化こそが、今、目の前にある危機に対応していく手段になります。

宗派から何かを与えてもらうばかりではなく、私たち東京教区から宗派の未来に変化を与えていくことをご提案させていただきます。

 

2.「人」社会に即した僧侶の育成 伝統を相続するスペシャリストの育成

先輩たちのご尽力により首都圏特区が設立され、宗派より今後20億円の予算が投入されることになりました。存亡の危機に際し宗派の本気度が伝わります。

ただ、この20億円は決して我々東京教区の各寺院に分配される訳ではありません。首都圏に浄土真宗のみ教えが広がりやすくなる為の土壌整備、および起爆剤とするために使われます。計画は着々と進行し環境整備、いわゆるハードの部分は着実に成果があげられています。しかし、我々東京教区の寺院はこの首都圏特区からいかなる恩恵をもらえるのでしょうか?

特区構想を進める中に、ソフトといわれる部分、すなわち僧侶の研修機関を築地本願寺に設置することを提案します。環境部分だけを整備しても宗務員・現場の僧侶たちの資質の向上を目指さなければ特区構想は成功しません。首都圏の多種多様なニーズに相応できる「人」の育成こそが最重要課題です。

●カウンセリング能力、社会人としてのスキルを研修する機関
●現代に相応することができる「ことば」を研究する教学機関
●み教えを、正しくわかりやすくありがたく伝えられ、話術を研く布教使研修機関
●感動を与えられる法要をめざす、勤式・声明のスペシャリスト研修機関
●お寺に関わる女性を対象とした研修プログラムの設置

東京教区の我々にとって伝統を相続しそれを「研く」場所、スペシャリストとしての資質を高め現代の諸問題に対応できる能力を身につける場所ができることは、危機に対応していく上で大きな助けになります。

特区にとっても研修を修了した人材の存在は事業推進の助けになります。私たちのお寺と教区と特区の三方よしの関係を形成させることをご提案させていただきます。

 

3.「30年後のお寺」子ども若者ご縁づくりの推進 教化団体の充実

宗派仏教青年連盟指導講師をさせていただいていた際、ある研修会のご講師から「今、仏青活動を行っていくことは、皆さんのお寺の未来の総代研修会です」といわれたことがあります。それまでの自分自身の考えが一変させられる言葉でした。

私はこれまで、青少年に「今」み教えを伝えることを考え教化活動を行ってきました。しかし、それは同時にお寺の30年後、50年後、「未来」へと続いていくことだったのです。

存亡の危機に向けて宗門は、「子ども若者ご縁づくり キッズサンガをさらに」を始めました。目の前の子どもたちに、若者たちにご縁を作り、つなぎ、深め、お寺に馴染んでもらうことが、次世代育成となりお寺の未来に直結します。難しいことをするのではなく、まず私たちの半径5メートルに声をかけていく意識をもつことが第一歩となります。

そして私たち東京教区だからこそ、まだご縁の薄い若者たちに対していかにご縁をつくっていくかが問われます。昨今のメディアで仏教・お坊さんが再注目されているように、若者たちは決して仏教に対して興味がないわけではありません。「核家族化」などによって家庭での伝承が薄まりお寺や仏教との縁がなりつつあるのが現状です。一つのお寺で難しいことは組、教区、特区で力を合わせていく。それが、お寺・宗門の未来につながります。

また教化団体という先人方が護り抜いてきてくださったシステムがあります。各団体の培ってきたノウハウはお寺の根幹を担う門信徒育成法です。

なかなかご門徒を増やすことが難しく、逆に減少傾向にある現状において、今できることは、目の前にいるご門徒との関係性を深めていくことです。

難しく考えがちな教化団体の立ち上げ方法や運営方法を周知することを、まず徹底していきます。

そして教化団体活動が充実していくことでお寺とご門徒の絆を強いものとしていくことをご提案させていただきます。

 

岩佐 准光(いわさ じゅんこう)
プロフィール

東京教区西組正行寺副住職
昭和47年10月14日生まれ (44歳)
家族構成 両親、妻、長女

日本大学第二高等学校卒業
大正大学仏教学部卒業
中央仏教学院本科卒業
中央仏教学院研究科卒業
住職課程 修了
武蔵野女子大学大学院修士課程修了
浄土真宗本願寺派布教使

略歴
東京教区青年僧侶協議会理事長
浄土真宗青年僧侶連絡協議会理事長
浄土真宗本願寺派仏教青年連盟指導講師
浄土真宗本願寺派 子ども若者ご縁づくり推進室マネージャー
伝道資料センター室長
紫水会東京ブロック事務局長
東青僧フットサル同好会監督
(現在はすべての役職を辞させていただいております)

浄土真宗本願寺派僧侶宗会議員選挙
東京北選挙区 立候補者
岩佐准光 選挙事務所
東京都中野区中央3-47-4
電話 03(6908)6658 FAX 03(3361)1535